唯高帰宅部茜色同好会!(第二章)-7
そこには全身包帯の白衣の男が俺の肩を掴んでいる姿があった。
「ぎゃああああああああ!」
「うそ!いゃあああああ!」
「ちょっとマリィ!待って!」
「おわっ!」
俺は驚き過ぎてつんのめると、派手に尻餅をついてしまった。
だが男は躊躇せずのしかかってくる。
そこまでやるか!?
「ちょっ!マジかよ!やめ…」
あれ…そこまで重くない?
それに柔らかくていい匂いがする…
さわさわと弄ってみるが、胸の辺りは異常に柔らかいし…
「んっ…アッ…キュ…やめてください」
「……アイサ!?」
どうやら男はとっくに立ち去っており、俺の上に乗っかっていたのはアイサだった。
「わっ!悪い!払いのけようとして…つい…」
言い訳に走る俺。汚いやつだ。
顔が赤いのはバレてないといいが…暗いから大丈夫か?
「すみません…私も驚いてその拍子にアッキュにぶつかってしまいました…」
「あ…ああ…とにかく、一旦降りてくれ」
アイサの後に、俺も手を借りて立ち上がる。
「ごめんな」
「い…いえ…」
「はは…とりあえず出よう」
「…はい」
すごく気まずくなってしまった。
外に出ると、日の光に目がチカチカした。
「二人ともどうしたのよ!心配したわよ?」
「食べられちゃったかと思ったよー」
「ああ、ちょっとな」
「……」
アイサの顔が真っ赤だが、何も言わないでおこう。俺が悪いんだし。
外ではサキとマリィだけでなく、ユーリとキスケも既に合流していた。
「キスケ、生きてたか」
「幽霊との死闘、お前たちに見せたかったぜ」
「……ユーリ、もう酔いは覚めたか?」
「あ、ああ」
「入らなくて正解だったよ、死ぬかと思った」
「…そっか」
「ってお前ら無視かよ!」
キスケは置いといて、ユーリはこういうのが苦手なら本当に入らなくてよかったと思う。
本当に全てが演出だったのかと疑いさえ感じた。
特に最後のあれとか、実は本物の幽霊だったとかは無しにしてほしいぞ。