投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

夏休みスペシャル
【純愛 恋愛小説】

夏休みスペシャルの最初へ 夏休みスペシャル 3 夏休みスペシャル 5 夏休みスペシャルの最後へ

夏休みスペシャル-4

「希世。」



耕貴と同じ大きなエナメルバッグを、哲は地面に置く。





「希世、久しぶり。」





その言葉だけで涙があふれそうになる。

さっきから、美佳や耕貴に泣かされそうになっていたから、涙腺が緩くなってるんだ。

鼻の奥がツーンとなる。

鎖骨がキューっと縮こまる。

でも、こんなところで涙を流すわけにはいかず。

かといって、声を出そうとすると「好き」と言ってしまいそうで。





「て・・」



哲。

やっとのことでそう言おうと、一歩踏み出したら思いっきり腕を引っ張られた。





「て、哲?」





突然のことに涙もひっこむ。



哲は私の腕を引っ張って、外へ走り出した。

私は靴も履けずに、靴下のまま飛び出す。





「哲、痛いよ」



「あ、わり」





哲はそう言うと、私の背中に乗せた。



「ちょっ無理!恥ずかしい!おろして!」



ポカポカと、2年前よりずっと大きくなった背中を叩くが、哲はとまらず、

バス停まで来たところで、やっと止まってくれた。


夏休みスペシャルの最初へ 夏休みスペシャル 3 夏休みスペシャル 5 夏休みスペシャルの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前