生徒会へようこそ【MISSION'2'ハムをスターにせよ!】-1
ガラリと扉がスライドすると、そこには(横に)大きな人が立っていた。
ちなみに宝さんの指示による大掃除が行われ、室内は人に見せれる程度になっていた。
「よぉ、ハム!」
オッさんが片手を挙げる。
てかハムて!
見たまま過ぎじゃないか。
「よ、よう、鯨岡」
ネクタイの色からハムさんも三年生のようだ。
キョロキョロと彼は室内を見渡し、ある一点で目が止まる。
ムスッとした顔がだらしなく歪んで
「こ、小鞠ちゃん!こんにちは〜」
と、ヒラヒラ手を振った。
この人、小鞠さんに気があるな。
「こんにちは〜、細井先輩♪」
ニッコリ笑って手を振り返す小鞠さん。
あ、そっか。小鞠さんて2・3年生の男子全員と繋がってるんだっけ。
ん?聞き流したけどちょっと待て。
「小鞠さん、この先輩の名前は…」
「ん?名前?細井 駆先輩で〜す」
「へ、へーえ。細井…駆先輩」
僕は思わず細井先輩を見てしまう。
たっぷりとした体系のこの人が、ホソイカケル!
…神様、それはあんまりですよ。
「何だよ」
ハムさん(そう呼ばせてください)が不機嫌そうに呟く。
「あ、いえ何でも」
僕が首を振ると、オッさんがニヤニヤしながら僕の肩を組んだ。
「あれだろ?名前だろ、香住」
いや、やめてください。
もう絡まないでください。切なさが倍増しそうです。
「い、いや…」
「そりゃ笑うよな!この体でホソイだぜ?持久走毎年棄権でカケルだぜ?なぁ、ハム!」
切な過ぎるし、失礼過ぎる。
「うるせぇぞ、鯨岡」
腫れぼったい目を更に細めてハムさんは呟く。
「で、ハム。何の用」
「オッさん!!」
ここで黙っていた宝さんがオッさんに噛み付いた。
嫌な予感がする。
何かを感づいたらしく完全に気配を消していたキミさんも、パソコンから顔を上げた。
「先程から聞いていればこの方をハムハムハムハムと!あなたにはデリカシーというものが無いのですか!?この方が気にしているであろう体系を、面白可笑しくあだ名にしてしまうなど失礼極まりない!!」
…ぅおい!やっぱりか!
宝さんが一番失礼極まりないよ!