生徒会へようこそ【MISSION'2'ハムをスターにせよ!】-8
「ほーう、そうか!つーことは来週も香住の死にそうな姿が拝めるな」
「それは目的とは異なりますが、月曜日も間違い無く拝めると思いますよ、オッさん」
宝さんがぐいっと平らな胸を張る。
ああ、月曜日も僕は笑われるのか。笑われるためにやるのも虚しいな…。
ん?月曜日?
ぬぁっ!
月曜日は無理だよ!
僕は何のために生徒会に入ったんだ!
むこう1ヶ月堂々と遅刻出来るからじゃないか!
おばあちゃんを気兼ねなく送っていけるからじゃないか!
あわわわわ…どうしよう…。こんなこと宝さんに言えない。
言ったら「何?貴様は遅刻を堂々とするような愚か者だったのか!貴様の顔など見たくもないわ!くたばれっ!」とか言われてボロボロにされるに違いない。
かと言っておばあちゃんを見過ごすことも出来ないし…。
ど、どうしよう…!
「どうした?何故そんな絶望的な顔をしている?」
宝さんの声でハッとした。
僕を不思議そうに見ている。
絶望しているから絶望的な顔をしているんだよ、宝さん。
「あ、あの宝さん…あのさ月曜日…」
「何だ?男ならハッキリしろ」
「あの、あ、あの月曜日…やっぱり月曜日は…」
「月曜日がどうした?」
「月曜日は…その、やっぱり僕もその…参加…だよね?」
一瞬宝さんが止まった。
そして
「当たり前だろう?」
と笑った。
「あ、です…よねー」
僕は宝さんが向きを変えたのを確認すると、短く溜め息を吐いた。
「香住、月曜日は何かあるのか」
キミさんが机の向こうから僕に言った。
「あ、いえ…」
「優ちゃぁん、本当は都合悪いんじゃないのぉ?」
「え…小鞠さん?え、あの…」
頬杖を付いて小鞠さんはニコニコ笑っている。
「何!?優、そうなのか?何だ、その都合というものは。ハムよりも大事なことなのか?寿絵瑠に言ってみろ!」
「え、あの…そ、それは…その…都合悪いっちゃ…悪いんだけど…」
「だからそれは何故だ」
「えーと…そ、それはぁ…」
僕の頬がピクピクと痙攣し始めた頃
「まぁいいじゃねぇか宝!そこまで聞くのは野暮だぜ」
オッさんが口を開いた。