生徒会へようこそ【MISSION'2'ハムをスターにせよ!】-18
「お前は何もしてねぇだろ」
「へっ、確かに。今回は一年坊主どもが頑張ったからな」
僕は、胸がこそばゆくて何を言っていいか分からなかった。
しかし
「ええ、寿絵瑠はトップに立つ人間になるのです。これぐらい当然だ」
宝さんは堂々となだらかな胸を張っていた。
はぁ、その度胸が欲しいよ。
あ、そう言えば。
「ハムさん、あの子とはどうなりましたか?」
ハムさんに駆け寄ってきた女の子。
たぶん彼女がハムさんの好きな人なんだろう。
「ん、別に。なーんも」
清々しい顔で笑うとハムさんはこう付け足した。
「これからだよ、これから」
そして、じゃあな、と手を挙げて去っていった。
『これから』か。
希望がある言葉。諦めていない証拠。
ハムさん、自分に自信が持てるようになったのかな。
…良かった。
「フフ、何か細井先輩変わった♪」
小鞠さんがくすりと笑う。
「あたしにデレデレしなくなったし、ね!キミちゃん」
「…そこだけな」
「もー、素直に認めればいいじゃぁーん」
「……フン」
「まぁ、顔付きが若干変わったのは認めるしかねぇなぁ。入って1ヶ月にしちゃなかなかやるじゃねぇか、テメーら」
「当然です!」
「あ、ありがとう、ございます」
ああ、そっか。
僕が生徒会に入って1ヶ月が経ったんだ。
1ヶ月…ん、あれ?1ヶ月……いっかげ…
「ぬあぁっ!!!!」
僕は思わず声を上げた。
みんなが、どうしたんだとためらっているのにも気付かなかった。
僕が生徒会に入って1ヶ月が経った。
もう1ヶ月経ってしまったんだ。
渡邊先生との遅刻免除の約束はもう終わり。
次の遅刻で僕は停学決定。
もうおばあちゃんをお妙ちゃんちまで送っていけない。
でも放ってはおけない。
1ヶ月以内におばあちゃんのこと、何とかしようと思ってたけど…なんっっっっにも考えてない!
「てっ……停学……だ」
「頭抱えてどうした?優。停学ってどういうことだ?優?おーい」
またもや僕に停学の危機がぁっ…!!!
to next mission...