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生徒会へようこそ
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生徒会へようこそ【MISSION'2'ハムをスターにせよ!】-14

3年生と入れ違いでグラウンドに降りていく。

「あ、オッさん!」

「おー香住!見た?俺の華麗なる競技の数々見た?すごくね俺?」

「あ、はい、すごいですすごいです」

「何でそんなテキトーなんだよ」

「あの…ハムさんは…」

「あーハムな、お前ら頑張ったな。去年のハムとはまるで別人だぜ」

オッさんはニッと楽しそうに笑った。





距離は男子1500メートル、女子1000メートル。
僕は180人中18位という好成績(でもやっぱり地味)を収めた。
宝さんはもちろん陸上部を抑えてぶっちぎりの1位。
キミさんはやはり参加すらしていないようで、小鞠さんは歩いてんのか走ってんのか分からない速さで歓声やハイタッチをしながら、疲れ知らずの最下位だった。

そしてオッさんとハムさんは…。
やはりオッさんはトップを爆走中。ハムさんは最下位で失速中。まだ一周も回ってないのに、二人の距離はどんどん縮まっていった。
…空気読めよオッさん〜!!
僕の拳はわなわなと震える。
一周遅れはさすがにいかんと思うのだが、オッさんは容赦無くハムさんに追い付いていく。
そしてとうとう、オッさんがハムさんを抜かした。
オッさんは振り返って何か言っているようだ。
絶対バカにしてるよ、あの人…。
ハムさんはキッと前を見据えるが、見るからに疲れ切っていて、速さもどんどん遅くなり、乙に続けと言わんばかりに更に何人にも抜かされていった。
残り二周になる頃にはハムさんはダントツの最下位で、前の人にさえ半周以上差をつけられていた。
足取りもたどたどしく、いつ歩いてしまってもおかしくない。
オッさんを含めた何人かはもうゴールしたし、ギャラリーもグラウンドになんか興味も無いのかざわざわとそれぞれの雑談が繰り広げられていた。
とうとう、前の人がゴールをする。
グラウンドにはハムさんだけ。だが、まだ一周ほど残っている。
ハムさんはふらりふらりとしていて、もう止まってしまいそうだった。

「ハムさん…!」

無意識に手のひらをギュッと握る。
たったっ、たっ…たっ…とハムさんの足取りは重くなり始める。
ハムさん、それでも諦めちゃだめだ。
ああ、もう止まってしまいそう。
ハムさんだめだ、もう少し、頑張れ。
もう少し、後少しだから…。
ああ、足が止まっ…


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