湿気-5
「俺も」
「へ?」
「同じ事考えてた」
「やっぱり?」
「うん」
「一緒に帰ろうよ」
「…うん」
子供みたいな返事をしたのに、俺に向けて今までで一番の笑顔をくれた。
俺と晴陽は思考回路が同じだから、だから今の気持ちも同じ。
うん、俺もそう思ってた。
俺も離れて暮らすのはもう限界だったんだ。
夜が明ける。
相変わらずバカみたいに雨は降り続いてるけど、どんよりした曇り空が天気に逆らうように白んでる。
今日も湿度の高い蒸し暑い日になるんだろうなぁ。
夜中に車に乗って会いにきてくれた晴陽はよほど疲れたのか、すぐに眠ってしまった。
部屋の湿気は相変わらず。
でも心の中は晴れ晴れしていた。
晴れた日の太陽の光を浴びてるような、そんな幸せを感じながら隣に寝転んで目を閉じた。
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