唯高帰宅部茜色同好会!(第一章)-6
「でかしたサキ!」
そう叫んだのはマリィだった。やはり普通にやれば確実に負けるほどカードは弱かったようだ。
サキはそのまま上がってしまい、次の順番であるマリィも一気に手札を全て出し終えた。
「はぁ、よかった、告白なんてあたし無理だもん…」
「寿命が減ったわ…」
そして残るは、ユーリとアイサとなった。
「おいアッキュ、まずいぜこりゃ」
「…ああ、わかってる」
キスケから耳打ちをされ、俺は静かに頷いた。
ユーリは先輩達を差し置いて、学校一と言っていいほどのモテ男。
誰かに告白なんてしてしまえば、学校中が大騒ぎになりかねん。
アイサもアイサで、もちろん綺麗なのもあるが、こういうことに慣れてないから絶対に可哀想なことになる。
やめさせてもいいが真面目すぎるアイサは必ずやると言って聞かないだろう。
「あ」
頭の中でいろいろシミュレーションをしているうちに決着はついてしまった。
最後に手札が残っていたのは…
ユーリだった。