唯高帰宅部茜色同好会!(第一章)-17
「だから高校ではおとなしくしておこうって。まぁ、建て前はそうだけど、怖いんだよね、実際」
「……マリィ、俺だって一応、茜色のリーダーってことになってる。それに俺もよく無茶なこと言ってると思うぞ?」
「…んーん。アッキュは違う。アッキュはみんなのことわかってるし、すごく優しい」
「……」
「だからアッキュに、いつも一人じゃつまんないだろ、一緒に遊ぼう、って手を差し出されたときはすごくうれしかったのよ」
「…こんな風にか?」
俺はつい、震えるマリィの手を強く握ってしまった。
「……うん」
「マリィ、無理強いはしない。いつでも俺達がいるから。でも、ちょっと勇気出せば、大丈夫だよ」
「…ありがとう。あたし…アッキュのこと好きだから」
「……へ?」
「ばーか、仲間としてよ!」
「…な、なんだよもう…くっそ、照れちまった自分が悔しい…」
「あはは、アッキュって、悔しいが口癖だよね。よく呟いてるよ」
「マジか…心の声が口に…」
そのとき突然、携帯が振動した。
マリィの過去を知れたのはよかったが、ユーリのことを忘れてた。
こんなんじゃ、みんなに慕われるリーダーとは言えないな。
頑張らねーと。