唯高帰宅部茜色同好会!(第一章)-15
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「それにしても須藤先輩、綺麗だなぁ…」
サキは依然、見失わないよう気をつけながら須藤先輩の尾行を続けている。
「…アッキュンも須藤先輩に告白されたら付き合っちゃうかな…それだけは嫌…せめてマリィかアイサと…それも嫌…」
そして須藤先輩の背中を見つめながらぶつぶつと独り言。
「あ…校舎から出るんだ…でも鞄は持ってないし上履きのまま…ユーリはどこに呼び出しぶっ!」
突然校舎を出た須藤先輩を追って走っていると、何かにぶつかった。
「……いたた、ごめんなさ…あ」
目の前には須藤先輩が立っていた。
「あなた何?ずっとあたしをつけ回して」
バ…バレてた…
「あっ!あの!いや…その…」
「あたしって女子のファンまで出来たんだ…あぁ、美しいって罪ね」
「…?」
「あなたも可愛いんだから、せいぜいあたしの真似をして頑張りなさい?あ、言っておくけどあたしに比べれば全然なんだから、自惚れないこと」
「…は、はぁ」
須藤先輩って変わってるんだな…
「ど、どちらに行かれるんですか?」
「あたし?また身の程を知らない男が告白したいみたいだから、仕方なぁーく相手してあげるの。普通の美人なら無視だろうけど、あたしは美しさに優しさも兼ね備えてるから」
そんなこと聞いてないんですけど…
即座にそう思ったが口に出すのは我慢した。
「場所は体育館裏よ。まったく、ベタな男ね。そんな所に呼び出すんだから程度も知れてるわよ、どうせ」
よくわからないけど、ユーリは恋愛ベタらしい。
ベタ?下手?須藤先輩の言っていることもあまり意味がわからなかった。
あ、とにかく報告しなきゃ。