唯高帰宅部茜色同好会!(第一章)-11
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ユーリが何時に須藤先輩と待ち合わせているのかは知らないが、それがわからない以上、放課後になる前にある程度作戦は立てておかなくてはいけない。
午後の授業中、メンバーにメールを送った。
当然、間違えてユーリにも送らないように細心の注意を払った。
メールの内容はとりあえず、有効な作戦を各自考えてから放課後、急いで部室に、とは言ってもここだが…集合ということにした。
少しして全員から、ラジャー、という一言だけの返信がくる。
お前ら、こういうときだけ一言一句一緒だなんてえらい息ぴったりだな。
珍しくあのアイサもノリ気だし。
アイサからのこんな貴重なメールは保護しておくか?そしていつか見せて笑いのネタに使う。
いや、今はそんなこと言っている場合ではなかった。
俺は授業など上の空で作戦を考えることにした。
端から見れば馬鹿らしいことこの上ないが、俺達にとって、これは大きな問題だ。
告白をさせてしまえば茜色からユーリが抜けてしまうことにもなりかねない。
いろいろなことを考えているうちに、あっという間に時間は過ぎていった。