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邪愁
【痴漢/痴女 官能小説】

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邪愁(その2)-7

眠りから覚めたとき、わずかに火照った私の陰部には、すでにあのペニスは私の中から消え、い
つもの空洞と、そこに吹いてくるすきま風のような虚脱感だけが残っていた。

私が入れられた犬小屋のような鉄の檻の中からは、窓の向こうに、すでに強い光に包まれ始めた
密林の翳りが湖水一面に広がる。

野鳥と猿の啼き声が遠くで絶え間なく聞こえてくるというのに、なぜかその風景は、森閑とした
膜のような空気に包み込まれている。


「…わたしは、こらから家畜小屋の女を処分してきますから…」

男は葉巻を灰皿にもみ消し、衣服を着ると部屋から出て行った。



体の中を流れる血流に、まだ幻覚の余韻がくらげのようにゆらゆらと漂っていた。私は脱け殻の
ような自分のからだが鉛でみたされ、あの湖の底に深く堕ちていくような気がした。
葡萄色の幻覚が脳裏に甦ってくる。私のラビアピアスは、今もまだ小刻みにヒクヒクと揺れ続け
ていた。

淫唇のラビアピアスが、溶けたチーズのような濃厚な精液でべっとりと包まれていた。蜜液と濃
厚な精液が混ざった汁がじわりと内腿を流れ、肌を湿らせていく。



褪せ始めた心の中で、空白の時間だけが刻まれ、甘美な肉欲だけが、性器の奥深い洞窟の中で、
甘い余韻を残していた。


熱帯の密林特有の気怠い光と影に浸されながら、私は愉悦に充ちた追憶と密林から漂う濃厚な精
液の匂いに耽るように、ふたたび微睡み始めていた…。


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