あの日の君にサヨナラを-1
「ねー、どうなの?」
「………何が?」
同じクラスの女子が俺の背中に足をのせながら疑問を口にした。
「だーかーら、私のこと好き?」
「知らん」
この女は何でそんな事を聞いてくるのだろうか。
「どうなのよ〜」
「好きでも嫌いでもない」
「どっちにかしてよ〜」
こっちは答えたのだからこいつにも答えさせる。
「そっちはどうなんだ?」
「私?」
「そう」
「にしし、どう答えて欲しい?」
「さぁな」
「つまんない反応ね〜」
「つまんないと言われても、これが俺なんだから仕方がないだろ?」
「相変わらずねぇ〜」
同じクラスの女子改め俺の幼馴染み西条歩(さいじょう あゆみ)。幼い時から二人で一緒にいることが多かった為に俺の性格も知られている。
「ねぇ〜、誠(まこと)どうなの?」
「何がだよ、歩」
「私を好きがどうかって話」
「まだそれを続けるか」
「当たり前じゃない、答え聞いていないんだから」
「はぁ〜」
溜め息が出てしまう。こいつはいつからこんな奴になってしまったのだろうか。それも気になる所だが一番気になる事を聞く。
「なぁ、歩。お前さ……」
「何?」
本人を目の前にするとやっぱり言えなくなってしまう。
「何、マコちゃん?」
マコちゃん、それが歩が俺を呼ぶ時の呼び名。
「いや………」
「言いたいことははっきり言いなよ。マコちゃん」
「ああ、じゃあ言う」
笑顔でこっちを見つめる幼馴染み。
「お前何で生きてるんだ?」
そう一番の気になる所とは、その事だった。この幼馴染みは少し前に事故で亡くなった。
「にしし、それを私に聞く?」
「幽霊なのか?」
「そうなのかな?」
分からないといった顔をこちらに向ける。
「気付いたらここで目が覚めた」
「そうか」
「ゴメンね、誠」
急に謝る幽霊幼馴染み。