秘密-6
数日後
♪〜♪〜♪…
それは、いつもと変わらない午後だった。
篤也は大学に行き、私は部屋でのんびりテレビを見ていた時、ケータイが鳴った。
電話で相手は、まぁ先輩。
「もしもし?まぁ先輩お久しぶりです」
『なっちゃん、落ち着いて聞いて…』
まぁ先輩の声がやたらと小さい。
「はい?」
私はケータイを耳にギュッと押し当てた。
『陸が死んだ』
『さっき陸の親から連絡があって、事故だって。
明日六時から通夜で明後日…』
まぁ先輩が説明してくれたけど、何も頭に入ってこなかった。
(陸先輩が…死んだ…?)
『…で、これから陸ン家に行こうと思うんだけど、なっちゃんも行く?』
「…いっ行きます!」
陸先輩の家の近くの駅で待ち合わせをして電話を切った。
(先輩が…?まさか、そんな…!)
出かける支度をしながら震えが止まらなかった…
駅に着くと、改札口でまぁ先輩が待っていた。
私たちは無言で陸先輩の家へ向かった。
まぁ先輩が家のチャイムを鳴らした。
ピンポーン
なんとも間の抜けた感じの音が響き、『ハーイ』という声と共にドアが開いた。
「まぁ君、いらっしゃい」
中から女性が出てきた。
目が赤い。
陸先輩のお母さんだろう。
「こんにちは。おばさん、彼女は大学の後輩で澤井さん」
「澤井?」
「はい、あの澤井夏実です。裕実の娘です」
「裕実ちゃんの…よく似てる。二人ともわざわざありがとね。さぁ、中へどうぞ」
「お邪魔します」
そう言って中に入る、まぁ先輩に私も続く。