フリースタイル6-3
「ここだよ」
「え、あ、恭介!!」
恭介に背中を叩かれてようやくヒカルくんは気づいた。
「偶然やな。何してたん?」
「そっちこそ。デート?」
恭介はあたしをチラッと見て言った。
「そやでー。だから邪魔せんといてー」
ヒカルくんはワザとあたしと手をつないでみせた。
でもその手を恭介がほどいた。
「残念。実香は俺のだから」
ヤバい!!!
死ぬ程ヤバいよ!そのセリフ!!!
「あ、そーでっか。恭介もウチ来るか?」
ヒカルくんが半ば呆れて言った。
あたしの心がものすごく期待しているのが分かる。
「わりぃ、俺やる事あるから」
・・・・・だよね。
もし神様が本当にいたら恨んでやるっ。
あたしがすごい落ち込んでたら恭介がすごい近くに来た。
「今日のカッコすげぇ可愛い」
そう言って恭介は頭ポンポンしてどこか行ってしまった。
お洒落してきて良かった!!
「…俺にはなんもなしかい」
ヒカルくんがボソッと言ったけど、あたしはそんなのお構いなしだった。