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あべ☆ちほ
【少年/少女 恋愛小説】

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あべ☆ちほ-12







もちろんこの件を素直に受け止める僕ではない。時子さんは絶対に僕をハメているはずだ。万華鏡の方に仕掛けがあったのかもしれないし、板が同じものだという確証だってない。疑える余地はいくらでもある。

けれど、時子さんのマグナムレア級なお節介に、ここでは素直に感謝しよう。

ラビアンローズ――薔薇色の人生に至るには少しばかり希望が足りないような気がするけれど。

それでも時間は進む。

秋が過ぎて冬になる。

クリスマスがやってくる。











年頃の男女がベッドのある個室ですることなど限られている。

そして僕は男で、千穂は女で、僕らは年頃で、もちろん病室にはベッドがあり、しかも僕らには僅かながらの時間があった。

だから僕らがその行為に至るのは極めて自然な流れだった。



「いち、にい、さん、しい、ご。……だ、大地震!?運ポイント消費8って!!…ああ、わたし死んだ」

「ほい、転生ダイス」

「ん。……よん!?ダメだぁ、畜生道に堕ちたぁ。…ターンエンドです」

「じゃあ僕は……ろく。いち、にい、さん、しい、ご、ろく。火災かあ」

「やたっ!地獄へおいでん♪」

「いや、運ポイント6あるから家全焼で済んだ」

「えー」

「更に火災保険のLv.3カードもってるから一億もらう」

「えー!なんで?家買った時は六千万だったじゃん」

「保険とはそういうものなり。と、ターンエンド」

「転生ダイスよ〜、我を導きたまえ〜。とやー!!」

「よん。畜生道続行」

「神よ!わたしが前世でなにをしたー!」



もちろん、それは『ライフゲーム〜波乱万丈編〜』というボードゲームのことだ。

このゲームには輪廻転生というシステムがある。そのためとにかく理不尽な波乱に満ちており、いとも簡単にプレイヤーは死ぬ。


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