第2話-4
風呂から流れてくる早貴の鼻歌を聞きながら煙草をくゆらせる。
1日が終わりに差し掛かる前の至福の時間だ。
考えてみれば、俺だって高校生の時は親に隠れてさっきみたいな行為をしてた。
例え女の子であろうが、ムラムラするのは人間である以上仕方のない事かもしれない。
(・・・・・・・・・)
煙草を灰皿に押し付け、ふと風呂場を見ると・・・洗濯籠に入った早貴の服が目についた。
(・・・・・・何を考えてるんだ、俺は)
もし早貴が風呂から上がってきたらどうする?見つかったら笑って許すと思うか?
(み、見るくらいなら別に・・・いいよな、なあ)
果たして誰に問い掛けてるのか分からない。不毛だ、そんな事をしても。
気が付けば俺は籠から下着を盗んでいた。何をしてるんだ・・・
(・・・これは・・・)
丁度女自身の場所がうっすらと濡れている。
一体なぜだ。確か、早貴は下着は脱いだまま自慰をしてたはずなのに。
(終わってよく拭かずに穿いたのか?いや・・・違う。おそらく始める前からもう・・・)
染みからはむせ返る程の早貴の匂いがした。
ああ・・・何をしてるんだ俺は。でもやめられない。いけないと分かっているのに。
股間に血液が流れ熱く漲っていく。全身から流れて集まっていく様な勢いだ。
いけない。
・・・自慰をしたいけどそれはいけない。娘の下着で・・・そんな事!!
「お父さん・・・」
急に声がしてびっくりして振り向くと、早貴が一糸纏わぬ姿で立っていた。
「さ、さ、早貴?!なんだその格好は!何をしている!」
風呂上がりで体もろくに拭かず、全身からお湯が垂れ落ちている。
控え目な大きさだが柔らかそうな形のいい乳房、つんと重力に逆らう様に上向きの、淡いピンク色の乳首。
健康的な曲線を描く腰、黒子がそばにあるお臍、そして程よい濃さに茂った陰部、床まで伸びるすらりとした足。
「お父さんこそ何してるの?私のパンツなんか持って」
「こ、これは!これは・・・いや、その・・・」
言い訳が浮かばない。
早貴は、追い詰められた俺を上目遣い気味に見つめている。
やがてその厚い唇が微かに歪んだのを、俺は見逃さなかった。
「お父さんはエッチだね。娘がお風呂に入ってる間に、パンツの匂い嗅ぐなんて」
「う・・・うう・・・」
やめろ。そんな目で見るな。哀れんでるのか?
きっとそうなんだろう。父親の最低な姿を見て、がっかりしてるに違いない。
「・・・匂いだけでいいの?」
早貴の口から出た言葉は予測していたものとは違うので、返事ができなかった。
「さ、早貴?!」
正面から抱きつかれ、鼓動が加速して心臓が破裂しそうになる。
うあ・・・当たってる、早貴のカラダが。
「もう、準備できてるよ。お父さん・・・」
準備ってまさか・・・?!
俺はいったいどうしたらいいんだ。
このままじゃ娘と越えてはいけない一線を越えてしまう。
「お父さぁん・・・」
早貴の細長い綺麗な指が俺の胸元に添えられている。
まるで、俺を捕えて放そうとしない絡まる触手の様に見えていた
〜続く〜