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双子の姉妹。
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双子の姉妹。 9-3

***


「麻琴、どうだ?調子のほうは」

翌日、麻琴との勉強を終えてからいつものように話を始めた。

「んー、ちょっと疲れてるけど体は大丈夫。言っとくけど勉強の調子なんてあたしはわかんないわよ?」
そう言って麻琴は笑う。

「そうだよな、麻琴だし」
「なによそれ」
「……はは」
「……俊哉、本当にありがと」
「なんだお前まで。まだ終わりじゃねえぞ?」
「…違うわよ。まあ、なんて言うか、やる気を出させてくれて」

麻琴はいつぞやの大きなぬいぐるみを抱えて言った。

「あたし、最初に俊哉の大学を志望校に入れたとき、ひどい結果でさ。絶対に無理だってあきらめてたの」

おばさんが言った通りだな。

「でも俊哉が大丈夫って言ってくれて、うれしかった。それだけで頑張れた。だからもう落ちても悔いはないわ」
「ばか、受かるよ」
「わかってるわよ」
「…お前な」
「…あはは、まあ、そのくらいの気持ちでやりきってやるわ」
麻琴はぎゅっと拳を作った。
「……それでこそお前だよ」

もちろん、最初に麻琴が同じ大学を受けると知ったときは驚いた。

今だって合格が確実とは絶対に言えないという状況だ。

俺だって少しは不安だし、麻琴はもっと不安だと思う。

でも麻琴は俺のこれまでの無茶苦茶な勉強についてきた。

思えば麻琴は、前にも自分の力で数学の好成績を手にしたんだ。
ガッツは人一倍ある。

奇跡とはまた違うとは思うが、麻琴ならやってくれる。



俺は二人の合格を信じることしかできない。

でもここまで二人とも頑張ったんだ。


二人は絶対に受かる。


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