彼女と私の恋愛事情!?2話〜”想い出”とお出かけの約束〜-4
「そうだよね、でも、わ、僕・・・勇気がないんだ」
今思えばあの時無理していたのかもしれない。
「しょうがない、私の傘に入れていってあげるよ」
「ありがとう、でもいいよ、もう濡れちゃったし一人で帰れるよ」
と言って冬姫は走って帰って行った。
その時最後の笑顔に惹かれた。
それも無理やり作った笑顔だとしても・・・
なぜかどうしようもなく守りたい笑顔だった。
――――ハッと気づくと私は
冬姫と初めて会った場所に立っていた。
そして。
「あ、あれ?」
泣いていた。
止めようとしても止まらない。
「おかしいなぁ、悲しくなんかないんだけどな〜」
その場にいてもどうしようもないので、私はあの頃冬姫がしたように走って帰った。
あの時・・・雨でわからなかったけど、冬姫も泣いていたかもしれない。
日が変わり
朝、自分の顔を鏡で見てみると。
「ずいぶんと疲れ切ったような顔だなぁ・・・」
結局あの後もしばらく泣いていた。
そのうちに泣き疲れて寝てしまっていたようだ。
顔を軽く洗って身支度を整える。
今日も1日が始まる。
「ま、叶わない恋なんてないってね!なんてね」
さぁ今日も1日がんばろう!
そう思い気持ちを切り替えて家を出て学園へ向かう。
その途中
「あ、千影ちゃーん」
最近冬姫と会う率が高い気がする。
まぁ、それも悪いことじゃないよね。
「おはよう!冬姫」
「おはよう」
ふと冬姫が初めて会った場所を見ている。
「なんかここの公園、嫌な思い出しかないな。」
私のことも含められているの?
声には出せずに心の中でつぶやいた。