投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

彼女と私の恋愛事情!?
【その他 恋愛小説】

彼女と私の恋愛事情!?の最初へ 彼女と私の恋愛事情!? 9 彼女と私の恋愛事情!? 11 彼女と私の恋愛事情!?の最後へ

彼女と私の恋愛事情!?2話〜”想い出”とお出かけの約束〜-3

「えっと・・・・ダメかな?」

なかなか答えを出さない私に不安そうに冬姫が聞いてくる。

「あ、全然!! 大丈夫、いつでもいいよ〜!」

その言葉にとっさに我に返りそう答える。

「本当!? じゃあまた後で連絡するね!じゃあね、バイバイ」

「うん、じゃあね〜」

こうして冬姫と別れて私は自分の家の方角に体を向ける。

その時、私はふと冬姫と初めて会った時のことを思い出していた。

―――そうそれは、ある日。

私がまだ幼かったころの誕生日の数日前のこと。

私は確かに冬姫と会っていた。

学校の帰り、私の帰る道つまりは通学路。

その時、ちょうど雨が降っていて急いで家に帰っていた時のこと。

私が帰る時いつもある公園の近くを通っていた。

そのときたまたまふと視線を向けた時に冬姫がいた。

その時はまだ名前もわからないほどの他人だったので、そのまま通り過ぎようかと思った。

でも、意識してちゃんと見たとき不自然な光景だった。

彼女は傘をさしてなかった。

そして、泣いていた。

今は冬姫が女の子と分かっているけど・・。

その時の第一印象は男の子だった。

その時は男の子と思って接していた。

「どうしたの?」

そう声をかけると冬姫はハッとしたように顔をあげ。

「な、なんでもない」

そう一言返してくる。

「ふーん、雨降ってる所に傘差さないのはおかしいと思うけど、まさか忘れたとか?」

「違う、取られただけ」

「取られたって?」

「男の子にね、傘無いから貸せよって」

そのときは男なのに情けないと思った。

だから――

「あなたも男なら、取り返せば良かったのに」

その一言を言ってしまった。

冬姫の顔が一層暗くなる、でもそれも一瞬で。


彼女と私の恋愛事情!?の最初へ 彼女と私の恋愛事情!? 9 彼女と私の恋愛事情!? 11 彼女と私の恋愛事情!?の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前