彼女と私の恋愛事情!?2話〜”想い出”とお出かけの約束〜-2
「あ、あれ!? 早いね〜」
「あ、千影ちゃん」
「ごめん、待たせちゃった?」
「ううん、全然」
「おかしいなぁ、これでも私急いできたんだけど」
そう呟くと何が?という顔で冬姫が私を見てくる。
「なんで、そんな早いの?」
隠すことでもないのでスパッと言ってしまう。
「あ、あー、うん。・・・えっとね、何か千影ちゃんと一緒に帰るって考えたら楽しくなっちゃって。」
でもそれはお友達として、なのだろう。
「あはは、なんか前の冬姫と全然違うー」
そんな思いを隠して明るくふるまう。
「よし、行こうっ!」
冬姫がキラキラした笑顔でそう言う。
一瞬だけ心を奪われた感覚がした気がする。
そして帰り始める。
帰り道では今日友達と話した事や、学校であったことなど他愛のない話して帰った。
しかし家の方角が一緒じゃないため、途中で別れることになってしまう。
そして・・・分かれ道。
「あ、じゃあ私こっちだから〜」
「私の家こっちだから」
どちらともなく声が出る。
「「・・・・・」」
少しの沈黙の後互いに見合って。
「ぷっ、あははは」
「ふふっ」
どちらともなく2人して笑いだす。
「あ、そうだ千影ちゃん、今度どこか遊びに行かない?」
「え?」
その言葉に一瞬キョトンとしてしまった。
なんか今日は冬姫によく驚かされる。
「さっきも言ったような気がするけど、なんでまた?」
「えっと、普通は友達同士とかならそういうものじゃないの?」
ズキン
また胸の奥が痛むような感覚。
やっぱり友達という言葉に反応して、そんな感覚が起きる。
結局私がおかしいんだろうか?
好きな子が同異性というのが。
友達という言葉を冬姫から聞くだけで胸が苦しくなる。
大体私が好きでも冬姫は別の人に気が向いている、分かっていてもこの気持ちが強くなるだけだった。