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【家族 その他小説】

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食い終わった皿を洗っていた妹が、ふと思い出した様に声をあげた。

「あっそうだ、買い物行かなきゃ!ごめん兄貴、すぐ帰ってくるから」
「いいよ。外に泊まれば」
「行ってくるね!」

やれやれ、やっと出ていったか。うるさくてかなわないぜ。
さあ・・・一人きりの休みだ。思い切り楽しんでやるぜ。

友達に片っ端から電話をしてみたが、誰も繋がらなかった。遊びにいくつもりだったのに・・・
仕方ねえ、二度寝するか。
うるさいのが居ないからぐっすり寝られるはずだな。おやすみ

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

寝られるはずだな。ぐっすりと。だから寝よう、おやすみ。

・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・まだ妹が出かけて10分も経ってないのか。
もう一時間くらいになると思ったのに、休みなのに時間が経つのが遅いな。

何を買いに行ったんだ。
それも言わずに出ていくなんてあいつらしくもない。
ま、まさか、まさかとは思うが、俺には言えない物なのか?

例えば・・・プレゼント。か、彼氏への・・・
いや!考えない、考えたくない。そんな事有り得ないだろう。
いつも鬱陶しいくらい俺にくっついてるあいつが・・・そんな事・・・

何を行ってるんだ俺は。別に妹に彼氏ができようがどうだっていいじゃねえか。
寧ろ感謝したいくらいだ。俺を生き地獄から解放してくれるんだからな。
いやいや、それどころか同情すらしてしまうな。
あいつはとにかく寂しがりで1人でいるのを嫌がる。
だからいつもついててやらないとすぐ泣き出すんだ。

大事にしてくれよ。あんな奴でも俺の妹だからさ・・・

俺の・・・・・・


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