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【家族 その他小説】

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「さぼるのって気持ちいいよね」
「うん!楽しい!」

さっき私を悪い子と言ってたくせに、もう笑ってる。
それにしても、別にそうしようと事前に決めてたわけじゃないのに、こうしてタイミングが重なるなんて。
私と弟は考える事が似てるのかもしれない。
笑うツボも一緒だし、好きな食べ物も同じ。ピーマンが嫌いなのも。

「行こっか。乗って」
「うんっ!」

坂道の前で弟を後ろに乗せ、ペダルを思い切りこいだ。
前輪が道を下り始め、ジェットコースターの様に加速していく。


「すっげーー!早いよ姉ちゃん!気持ちいーーーー!!」


私のお腹に食い込んでくる弟のちっちゃな腕−
他には何の音も聞こえない。こうしてると、世界にたった二人だけしかいないみたい。

君とならこのまま空を飛べそうな気がする。


〜おしまい〜


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