罪罰-1
【序章-始罪】
──「プルル…プルル…」
乾いた着信音が鳴り響きました。…
「ピッ」
僕:『…はい。』
パパからです。
パパ:『七時に行くぞ。』
プッ……ツーツーツーツー
電話はたったそれだけで、切れました。
僕:「…ハァ」
軽いため息のあと携帯電話をテーブルに置き、窓からベランダ越に外を眺めると、東京の空は午後の静寂に冬の訪れが近いことを告げる、木枯らし混じりの冷たい風が吹き続いています。
僕:『準備しなくちゃ…』
これから彼の性欲を満たす為だけの、僕の長い夜が始まります。
ピクッ…ピクピクッ…
僕:『あっ…』
躾られた体が反応しています。
そう、過酷で激烈な夜宴が始まるのです…
─僕は桜岡ユウキ。18歳。
四月、高校を卒業し専門学校進学のため、山深い地方の片田舎から上京してきました。
僕はお父さんを知りません。
ママは30歳の時、一人で僕を産みました。
何故僕にはお父さんがいないのか、物心ついた頃に何度か聞いてママを困らせた記憶があるけれど、パパの事を憎んでいるママは頑なに教えてはくれませんでした。
そして僕もそんなママを気遣い、いつの間にかお父さんの事は聞かなくなっていました。
─僕は160cm足らずの華奢な体つきと、性格も大人しかったせいか、母子家庭という事もあって小さい頃からいつも苛められていました。
学校も欠席しがちで引きこもることが多くなり、故郷にいい思い出なんて何一つありません。
僕はそんな故郷を離れ、早く誰も知らない所に行きたかった。
そしてママにも秘密にしている、本当の自分の気持ちを受け止めてくれる人に出会いたかった。
僕は小さい頃から、父親の様な男の人に憧れていました。
お父さんと触れ合うってどんな感じなのだろう…そんな事を思い続けるうちに、それは何時しか性的な願望と結び付いていくようになりました。
僕は女の子に性的感情が抱けません。
かといって女の子になりたいわけではありません。
お父さんのような男性に抱かれてみたい…。
でももしかしたら、そんな僕の感情をママは薄々感じていたのかもしれません。
そして僕の本性も…