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軌跡
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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軌跡-1

今まで歩いてきた道は
僕だけで築いたモノじゃなく、君との軌跡なんだよね?
隣で微笑む君がいた
だからこれまでも、そうこれからも生きていけるんだ…
籠の中の君はカナリアのようで、寂しくさえずり唄を唄った。
僕の耳には届いているよ?君の…叫びが…

まだ二人道の上にたたずんでいるから…
絡み合う心と噛み合わない指の先…
死ぬよりも痛い後悔が、胸一杯になった
一度だけでも…君の広げた翼を…見てみたかった…。

小さく…なってゆく君に手向けを…あげた…それは僕の意志で…代わりのない愛だから…
一言…好きと言えたら、苦しむ…必要なんかなかったはずなのに…。

「最期まで、僕を想っていてくれたの?」
君は口を開かず…白い部屋で眠ったまま
「またあの丘まで行かないかい?」
記憶が巡り、涙は落ちた。君との…出会いに…思い出に…

笑い声も何もかもを失った僕は…
まるで半身をえぐられたようだった…
今まで考えることなどしなかったから…君のいない…生活を…世界を…

道を一人で歩き出す僕にそっと…
背中を押して一言…そう…一言だけ…
「大丈夫」その言葉もないから涙溢れた…
隣に君はいない…これからは…
最期に君の瞳が言った。「私を忘れないで?」
次に出会うことがあるのならば…そのときまで…
『GOOD...NIGHT.....』道の上で待っているよ?
さよならは…言わない…


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