双子の姉妹。 8-8
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その後、日付が変わった頃まで勉強して、二人で一緒に歯を磨いてから寝ることした。
もちろん寝るのは別々でだ。
一階の客間にはしっかり布団が敷いてあったし。
自分の家以外で寝るのなんて久しぶりだ。
天井がすごく遠く感じる。
明日も朝から勉強だな。
麻琴のやり方だし、7時起きだな、こりゃ。
「……ぐぅ」
そうして俺は、眠りについた…ハズだったのに。
「俊哉…ねえ、俊哉…」
「ん…んー?」
もう朝か。
余程熟睡できたのか、すごく早く感じる。
「……ん」
でも、薄目を開けても真っ暗なままだし、雀は鳴いていない。
「……まだ夜じゃねーか…」
「起きてよ俊哉」
さっきから何かと思えば麻琴に呼ばれていたのだった。
俺の横で膝立ちして体を何度も揺すってくる。
「話があるの」
麻琴はそんなことを言う。
「……なんだよ、早く言え…」
「今からあたしの部屋に来て」
なに言ってるんだ?麻琴の言葉に眠気が飛びかけた。
「…なんでだよ」
「いいから。先に行ってるから絶対だよ」
よくわからないが、とりあえず承諾した。
「……あーい」
麻琴は立ち上がると、それ以上なにも言わずにさっさと行ってしまう。
「…今何時だよ」
枕元に置いてあった携帯を開くと、時計は午前3時を表示していた。
「…勘弁してくれ」
俺は頭をかいてから、のっそりと立ち上がって麻琴の部屋へ向かった。