双子の姉妹。 8-4
「……んっ!」
すると麻琴は突然、目を力一杯瞑って俺を指差した。
「…なんだよ」
「……んっ!」
「もしかして、俺が好きってことか?」
「……んっ!」
「……」
「……」
「…え?もしかしてこれ、告白?」
「……」
なんだこれ…琴音の告白とは大違いだ。
これもうギャグの領域だろ。
麻琴は目を開くと、涙目で今にもやっちまったーって言い出しそうな顔をしている。
「すまん麻琴、いつもながら悪ノリが過ぎた」
「あたしの…初めての告白が…こんなことになるなんて…」
「いや、告白がひどいのはお前のせいだよな」
「ぶっ飛ばす…まず頭からぶっ飛ばして記憶を消す…」
麻琴は立ち上がると、ゆらりと近寄ってくる。
両手はグー。
やばい…
「ご飯よー!降りてらっしゃい!」
俺は下からのおばさんの声で一命を取り留めた。
何だかよくわからないまま終わったが、さっきのあれが本当に麻琴の告白だとすれば、双子の姉妹両方から告白されたことになる。
やはりどちらかを選ぶことになるんだな。