レンアイ☆ルーキー!〜恋の新人〜-5
「…」
「…」
「…今…なんかサラッと言いました?」
「…」
「ニヤニヤしてないでなんか言って、華ぁ!!
イッキが…あたしを、その、あの、」
「うん、好きだと思うよ、多香子のこと。
だって二人とも、話してる時すっごい楽しそうだもん」
「…そ、そう?そう見える?楽しそう?
…イッキも!?イッキも楽しそうに見えるの?
え、じゃあさ、これってつまり…りょ、りょ、ろうおも…じゃない、両思い、ってやつぅ!?
ひぇーっ、あたしとイッキは両思いっ!?ひえぇ!」
「何を取り乱してるんだか…。
昨日まで、鈴木くんと両思いになれたらいいなぁ、なぁんて、夢見てたくせにぃ〜」
「いや、ごめんなさい、あれは恋じゃないでしタ!
"片思いごっこ"してただけデ!
こっちがホントの恋なんでス!
…うん、あたし、告白するっ!!」
「え、ええっ!
そう来る!?」
「だって、ほんとの恋を知っちゃったら、黙ってなんかいらんないって分かったんだよ、華!
好きだってこと、本人に言いたくなっちゃったよ!」
「…そんなもん?」
「どうやらそうみたいよ!
あたしも知らなかった!
…なんかね、少女マンガとかのお手本なんて気にならない、本能、って感じ?」
「…がむしゃらだね。
突っ走ってるね。」
「うん、そうかも。
今ね、目の前が急に開けた感じ。
気付いてなかったことに、いきなり目覚めたって感じだよ!
まだまだ新人なのかもしれないけどね、あたし、間違ってない気がする!
あたし、恋に目覚めた!!」
そうして、多香子は恋を始め、翌週の部活の後には告白をすることになったのである。
それが上手くいくかどうかは、また別のお話。
カノジョになれても、失恋したとしても、まだまだ人生はこれから。
多香子がこの先、どんな恋をしてどんな大人になったとしても、この初めてのホンモノの恋に目覚めた瞬間は、一生忘れることはないだろう。
――――――fin
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