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レンアイ☆ルーキー!〜恋の新人〜
【青春 恋愛小説】

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レンアイ☆ルーキー!〜恋の新人〜-3

議論の興奮醒めやらぬまま、多香子は帰宅し、夕飯を食べ風呂に入り、ふとんに潜った。
しかしまだ、頭はぐるぐると考え事をしている。
部屋を暗くして、冷たい枕に頬を寄せて目を瞑っても、頭がシャーッと回転する音が聞こえてくるようだ。

―(なによ、あんな落ち着いた声で発表してたくせに、あたしに指摘されたら慌てちゃってさ)
―(そもそもあの場面はああじゃないでしょ?主人公の気持ちを考えるとさ?)
―(んもう、せっかく発表してた時はイイオトコだと思ってあげたのにっ)

…中学生のくせに、イイオトコもなにもあったもんじゃないのだが。

―(って、ちょっと待ってよ、いくらあたしがミーハーとは言え、イッキに対して"イイオトコ"は無いんじゃないの?)
―(そりゃ確かに、話は合うし、明るいし、良い後輩ができて良かったなぁって思ってるけど)
―(第一、ウチのクラスの鈴木くんの方が顔は良いもんね。あ、2組の佐藤くんも捨てがたいなぁ)

彼女は、"現実的ミーハー"である。
叶わない可能性の方が高い芸能人に恋をするよりは、同じクラスの男子に対して"片思い"してる方が楽しかった。

―(そうそう、あたしが好きなのは鈴木くんなんだから、イッキがココで出てくるワケないじゃん)
―(好きっていうのはさぁ、もっとトキメキがあって、ずっとその人のこと考えちゃうような…そういう…)
―(それを、イッキに対して当てはめてみたらさ、ほら…ドキドキなんてしない…あ、あれっ?)

彼女は、ただ単にニブイのか、それとも強情っ張りなのか、発想の転換に手間取っている。

―(えっ、じゃあ何、あたしはイッキを好きだっていうの?)
―(そんなこと、考えてもみなかった、だって年下だし…)
―(てことは、つまり、あたしが恋してるのは、実は、鈴木くんじゃなくてイッキ!?)
―(あたしはイッキが好きなの?これが…)
「…これが恋!?」

多香子は暗闇の中、思わずカッと目を見開いた。
さすがに体を起こすほどではなかったけれど、半分寝かけながらの考え事から、びっくりして目が覚めた。
多香子が、恋というものに覚醒した瞬間だった。


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