続・危険なお留守番・女子大生由真-8
由真は男にされるがまま、何度も繰り返される接吻を無抵抗に受け入れている。
そして男の濡れた舌が、ついに由真の可憐な唇をこじ開けた。
重なり合う唇の隙間から、唾液にまみれた二人の舌が絡み合いながら蠢いているのが見える。
少し息苦しそうに眉をひそめる由真の顔からは、強烈なメスのオーラがにじみ出ていた。
「……由真……」
和也にとっては拷問のような長いキスが終わり、男は名残惜しそうに車に乗り込んで走り去って行った。
程なくして、玄関の鍵を静かに回す音がした。
寝ている和也を起こさないようにと気を使ったのかもしれないが、そのコソコソした態度が和也の神経を逆なでする。
リビングの扉が開くやいなや、和也は苛立った声で由真をなじった。
「――何時だと思ってんだよ」
「…お…お兄ちゃん……起きてたの」
まさか和也と顔を合わせるとは思っていなかったらしく、由真は明らかに動揺している。
「――こんな時間まで何してたんだって」
「…………う、うん」
由真はその問い掛けを曖昧に受け流して和也の前を通り過ぎ、冷蔵庫から麦茶の入ったポットを取り出した。
「―――答えられないようなことをしてたって訳だ」
気持ちが異様にささくれ立って、つい絡むような口調になってしまう。
「―――違うよ。友達の家で喋ってただけ―――」
麦茶をコクリと一口飲んで、ボソッと言った言葉が、ますます和也を逆上させた。
「――友達?――お前は友達になった男みんなとキスするのかよ?」
由真の顔色がサッと変わった。