続・危険なお留守番・女子大生由真-4
あの時、衝動的に由真を抱いてしまったことを、和也は今でもずっと後悔している。
自分が犯してしまった過ちは、どう言い訳しても決して許される罪ではない。
しかし、それよりももっと和也を苦しめているのは―――実は心のどこかで、自分は由真と結ばれることをずっと望んでいたような気がすることだった。
由真の中に初めて入った瞬間に胸に湧き上がってきた幸福感―――。
互いを強く抱きしめあいながら絶頂に達したあのめくるめくような一瞬は、まるで強力な麻薬のように和也を陶酔させた。
そしておそらく由真も、和也と同じ思いだったに違いないのだ―――。
一度達した後、激しい後悔で萎えてしまった和也自身を、由真はあの時、自ら口に含んで蘇らせようとした。
下半身が痺れるような強烈な快楽と、吐き気がするほどの罪悪感。
由真をもう一度抱きたいという男としての率直な欲望と、兄としての責任感との間で、和也は激しく葛藤した。
そして……結局和也は、由真を拒絶したのだ。
「由真……やめろ………」
あの時、呻くようにやっとの思いでそう言った和也を、由真は真っ直ぐに見つめ返してきた。
「……どうして?……お兄ちゃん私のこと嫌い?」
「だ…駄目に決まってるだろ………だって俺たち………兄妹……だし」
自分から仕掛けたくせに、俺はなんてずるい男なんだろう――。
胸の奥がギシギシと悲しい音を立てていた。
「嫌っ……私……お兄ちゃんのことが好き……好きなの」
「……駄目だって!」
すがりつく由真の腕を振りほどいた瞬間、目の前にあの春の日と同じ桜の花びらがひらりと舞い落ちてきたような気がした。
由真の目からみるみるうちに涙が溢れ出し、パタパタとシーツの上にこぼれ落ちた。