双子の姉妹。 7.5-4
「はーい、そこまで」
永遠にも感じた二人の俊哉の取り合いは、二階の騒ぎを聞きつけて起きてきたであろうお母さんによって止められた。
でも、いつからいたんだろう。最初からいたりして。
「二人ともまだまだ考えが子どもね。でもお互い気持ちをぶつけることは、お母さんいいと思う。ただ時間を考えましょう」
そういえば深夜だった。
あの大声だし、外に丸聞こえだったかもしれない。
「さあ、今日のところは二人とも謝りなさい。じゃないとお母さんも参加しちゃうぞー」
それは喧嘩にってことなのか、取り合いにってことなのか。
お父さんにちょっと同情する。
「琴音…ごめん。あたしが急に熱くなっちゃって」
琴音が怒鳴ったことには驚いたけど、ふっかけたのはあたしだから潔く先に謝る。
「あたしもごめん…」
琴音も頭を下げた。
「はい、じゃあおやすみなさーい!」
お母さんはあたしの肩をグイグイと押してきて、一緒に琴音の部屋を出た。
「麻琴」
「なに?」
別れ際、お母さんはあたしに小さな声で言った。
「麻琴も告白しちゃえば?」
「っ!?」
「じゃあおやすみー」
お母さんはそのまま階段を降りていった。
俊哉に告白……
しないと…だめなんだよね…