生徒会へようこそ【MISSION'1'自己紹介を円滑に遂行せよ!】-11
「俺はてっきり、愛あるあだ名だと思ってたじゃんよぉっ!キミに至っては先輩を呼び捨てかボケェーッ!!」
「あああ…宝さん…止めないと…宝さん?」
握り拳握ってどうしたの?
「黙れええぇぇぇっ!!」
叫んだ!
三人がキョトンとした顔で宝さんを見る。
「この委員会のダラけ具合は何ですか!?先輩であろうと容赦しませんよ?寿絵瑠が叩き直してやります!!」
宝さんがフンッと鼻から息を吐く。
乙先輩間違い無くキレる。そう思ったのに、意外にも先輩は楽しそうに笑った。
「そうそうそれそれ!宝の意志の強さ、香住の優しさ。期待してんぜ!」
「…はい!」
宝さんは?
「はい」
笑ってる!
数日後。
「小鞠さん、ここっていつもこんなんですか?」
「んーそうだねぇ。暇だねぇ基本。でぇきた」
「おお、初めてだ。ねいるあーと。どうだ、優?似合うか?」
「…宝さん、完全に染まったね。似合うけどさ…。
キミさん、僕、暇死しそうです」
「大丈夫。そろそろ来る」
「そろそろ?」
「そろそろあれの時期なんだよ」
「何ですか?オッさん」
「てぇかさ、オッさんてやめてくんねぇ?」
先輩たちは、○○先輩と呼ばれるのがこそばゆいと言ってそれぞれに落ち着いた。
オッさんに至っては、宝さんがそう呼び始めたから僕も呼んでいる。
堅苦しくもなく、砕けた感じが本人と合っていると思うんだけど。
「いいじゃん、『オ』にアクセントなんだから!」
「いい訳ねぇだろ、小鞠ぃ」
「いいだろ、おっさん」
「おい、キミ、お前今おっさんつったろ!?おっさんつったろ!?」
「二回も言うな、聞こえてる。そして言った」
「で、おっさん、そろそろってどういうことですか?」
「宝、お前まで…!」
オッさんがギリギリと歯を食いしばる。
ヤバい、ヤバいぞ。カオスが始まる!