春の戯れ-1
「ゃあ、ぁ…もう、脱がせてよ、ぅ〜…やだぁ…」
「だーめ、せっかく着たんだからまだ見せて?……ほら、もっと、よく…ね?さぁーえさん」
にっこり普段よりも楽しそうに笑う鶯は年相応に無邪気さ全開で、それはそれは大層可愛いんだけど……状況がいただけないったらありゃしない!
腕で隠そうにも掴まれて囚われた両腕は、確かな男の力でがんじがらめに開かれていて、かなうはずもないまま拘束中。
お陰で普段は服に慎ましく隠されている全てが今は魅せつけている。
際どく透けるせいでやたらやらしい柔く実り膨らむ胸元を隠す術も、足の付け根を擦り合わせたその奥の秘部覆う心許ない茂みを庇おうとしゃがみこむ術もない。
確実にこの雰囲気に体はくらくら欲情中。
ぴんと実が熟れた乳首も茂みから零れる蜜も微塵もハルのプレゼントは全く隠してくれない。
むしろあるかなきかに等しいまでの色気なんていうものすらでてるんじゃないの?なーんて現実逃避。
それでも舌なめずりするようにねっとりと熱い情欲を称えた視線が現実逃避なんて許してくれっこない。
大体視線がねちっこい!!
顔もやらしいのよ!
鶯のバカ!バカバカ!!!
もう、やだ……。
恥ずかしくってしねちゃうのならしねるわよ…。
なんでほだされたかな……いや、流されたかな……自分。
ことの始まりは遡ることつい先のこと。
「はい、紗英さん。プレゼント」
プレゼントなんて鶯が言ってきたのが事の始まりだった。
「着るものだから俺の好みだけど、どうぞ」
差し出された袋は軽くて、ベルベットの白いリボンに淡いピンクの柔らかな包装紙にレースの透かしが繊細で綺麗。
色合いも雰囲気もすごく可愛くて、なんだか乙女心をくすぐられるラッピングだった。
鶯は意外と私が女の子女の子したものが好きだってわかってるから、こういう何気ない気遣いが……ささやかで、すごく嬉しい。
「わ、ありがとー……あ、高くなかった?」
つい値段を聞けば、笑って軽く流された。
……ハルってば最近そういうスキルが高くなった気がする、のが、なんだか複雑…。