不毛な関係-8
[ ウワサは…本当なんだ…
怒ってるんだよね?
三上さんの…毛…
持って帰っちゃった。 ]
私は正面向いて井上の目を覗き込むように見てから、顔を寄せて少し声をひそめた。
[ それだけど、私のじゃないわよ言っとけど…
だって私…アソコがツルンツルンよ。
見せてあげたいわ。 ]
親切で無口でおとなしい井上を捕まえて、勢いで思った事を何でも吐き出してる自分を今さら止める気もしなかった。
[ そんな事より、あなたもっと大切な事があるでしょ?
私が好きなんでしょ?
言ってごらんなさいよ。
三上が好きだって… ]
[ 三上さんが…好きだ。 ]
[ ダメよ、それは私の言葉よ。
もっとなんか…
気の利いた言葉を自分で考えてきなさいよ。
そしたら…考えたげる。 ]
言いたい事を全部吐き出してしまった私は井上を残して、さっさと立ち去ってしまった。
純也の姿は見当たらなかった。
私はそれっきり、純也の電話を取らなくなった。
それでなくても、うれしいと面倒くさい…
どちらといえば面倒くさいが勝ってたし…
さえないけど、あの井上が少しは気持ちを惹くような言葉を探してこれたならば、私は本当に考えてみてもいいと思った。
本当に冴えないけど、ムダ口を言わないし親切で…
私をもっと大切にしてくれるような気がしてきた。
女は本当はそれが一番じゃないかと思う。
私の陰毛や汚れたハンカチを大切に持ってるなんて、少しゾッとするけどそれを告白できるなんて純也の百倍も勇気があるとも思う。
第一あの男なら…
私の思い通りにできるようにも思う。
男と女の事だから…
当然、セックスさせてやってもかまわないわけだけど…
その夜ツルンツルンになった蒼いアソコを眺めて、あの井上に抱かれる事を想像してみたけれど…
複雑な心境でうまくオナニーできなかった。