危険なお留守番・女子高生由真-7
半ばやけ気味で由真の持っているバイブレーターを奪い取り電池カバーをはずす。
目の前で真っ赤になって震えている由真は、もはや自分の知っている幼い妹ではなく、男に抱かれる淫靡な夢に目覚めた一人の「おんな」なのだ。
――いつからそんなことを覚えたのだろう。
――誰がこの妹をそんな劣情に駆り立てているというのだ。
『――好きな男がいるのか』
そう思った瞬間、わけのわからない怒りがこみあげてきた。
いつも「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と言いながら和也の後ろを小走りでついてきた可愛い妹。
近所の友達と遊ぶときもいつも欝陶しいくらい和也にべったりくっついて、いつでも誰よりも自分を慕っていた由真が――。
和也の気付かないうちにどこかの男を好きになり、その男を思い浮かべながら自分で自分を慰めるようになったとは……。
「……ほら、電池貸せよ」
なんともいえない寂しさと腹立ちを感じながらベッドの上の玩具にも次々と電池を入れ、蓋を閉める和也。
『……俺は何をやってるんだ……こんなモンにご丁寧に全部電池なんか入れて……今から何をしようとしてるんだ……』
今日は付き合い始めたばかりの彼女とホテルでじゃれあって過ごすつもりだったのに、つまらぬケンカのせいでそれが出来なくなり、いつも以上に欲求不満なのは事実だ。
だけどだからといってまさか妹とどうこうなんて出来るはずがないし、そんなことは絶対あってはならないことだ。
しかしそれならば、この異様な状況をどうやって終わらせればいい?この玩具が動くところを二人で見て、笑って、それで終われるのか………。
自分の中でだんだんと膨らんでいく危険な欲望。
それを気取られまいと、和也は努めて淡々とその作業を続けた。
そんな和也の動作を息を殺してじっとみつめる由真の瞳は、羞恥と、はしたない好奇心で熱く潤んでいるように見えた。
『由真……そんな目で俺をみるな……』
兄としての理性が、まるで水の中の角砂糖のようにじわじわと確実に消えていくのがわかる。
『……やばいだろ……』
「ほら……電池、はいったぞ」
「お、お兄ちゃん……動かしてみてよ」
二人はいつの間にかどちらからともなくベッドに腰を下ろしていた。
「……し、しょうがねぇなぁ」
なんでもないそぶりを装いながら、和也は内心激しく動揺していた。
目の前の妹に対して、あってはならない性的欲求が確実に自分の中に芽生えている。
他の男に奪われるなんて我慢できないと思っている自分がいるのだ。