危険なお留守番・女子高生由真-4
―――――――――――
「じゃあ、行ってくるから」
由真のはしたない欲望など知るよしもない両親は、遠く離れた地方都市で結婚式をあげるいとこのために、その日の夕方二人揃って出掛けて行った。
両親がタクシーに乗り込んだのを窓から確認すると、由真はそそくさと父母の寝室へと向かった。
大学生の兄、和也はまた新しい彼女ができたらしく、朝からデートに出掛けている。今日は親がいないのをいいことに堂々と外泊するつもりなのだ。
家には自分一人しかいないのに、何故か忍び足になっているのがおかしい。
心臓がひどくドキドキしていた。
母のベッドの上に腰掛け、そっと「例の箱」の蓋をあける。
あの日由真が戻したままの状態で、そのグロテスクな玩具はそこに納まっていた。
微かに震える手でそれを握る。
すでに自分でも恥ずかしくなるくらい、下着が濡れてしまっているのがわかった。
「……すごい……いやらしい形……」
由真はその卑猥な玩具に、無意識のうちに憧れの先輩の男性器を重ねあわせて見ていた。
『男の人のって……こんなに太くて大きいの……?』
指を二本入れるだけできつく感じる自分の中に、果たしてこんな大きなものが本当に入るのだろうか。
恐い……
でも試してみたい……。
憧れの先輩と結ばれるという妄想を、より強くリアルに感じてみたい……。
少しためらいながらその張り型のスイッチをオンにするが、電池が切れているらしく動かない。
例の箱をもう一度見ると、ほかにもタオルにくるんだ怪しげな物がいくつか入っていた。
形や太さが微妙に違うバイブレーターがあと二本。
それに肩凝り用の電動マッサージャーがひとつ入っていた。
今まで全く知らなかった母親の一面。しかし不思議なくらい嫌悪感はなく、純粋にこの淫猥な玩具たちへの好奇心のほうが高まっている。
『……これを……あそこに……使ったら……どんな感じなの……使ってみたい……』
由真はじわじわとせりあがってくる劣情に耐え切れず立ち上がっていた。
下半身が激しく熱を帯びてジンジンと疼いている。
『……確か……電池が引き出しに……』
モゾモゾ立ち上がってタンスの引き出しから電池を取りだした時、突然目の前の扉が開いた。