双子の姉妹。 7-6
「……はい!」
「それに俊哉くんのほうがこれから大変よ?」
「え?」
「二人の女の子に板挟みの生活なんだから。ふふ、青春ね」
「……」
それだけはよくわからなかった。
その後はおばさんに、今の二人の勉強の進捗状況を説明してから、俺は大学に戻っていった。
「俊哉、どこ行ってたの?次の必修ギリギリだよ?」
大学の廊下で偶然出くわした香織に声をかけられた。
ひょっとしたら待っていてくれたのかもしれない。
「ちょっとな」
「…ふーん、ほら急ごう」
「おう……あ、香織」
「…なに?」
「俺ってさ、めちゃくちゃ鈍感だったんだな」
「……今頃気付いたの?もう、バーカ!」
香織は怒って先に行ってしまった。
鈍感……そんなスキルはいらなかったな、本当に。