双子の姉妹。 7-3
「……おい?どうしたよ?」
麻琴の部屋に入り、いつも通り勉強机の方に向かったが、麻琴は部屋の入口に突っ立ったままだった。
「……俊哉、琴音が好きなの?」
「…はぁ?」
「さっき、いいよ別に…って。あたしと付き合わなくてもいいなら琴音が好きってことなんでしょ?」
「お前、それは…」
動揺が隠せなかった。
「…遊園地で何かあった?」
「……」
俺が答えられずにいると、麻琴はとんでもないことを口にした。
「…俊哉と琴音が付き合うなら、大学落ちてもいいかな。あたし、邪魔になりそうだし」
「お前…」
麻琴はそう言うと、ようやく勉強机に向かった。
麻琴が俺のことを別に好きでもなんともないっていうのはわかっているけど、琴音と俺が付き合うことには反対しているのだろうか。
落ちてもいいだなんて…そう言えるほどの何かがあるのか…
「ほら俊哉、課題出してよ!」
「あ、ああ…」
こりゃ、そろそろおばさんに相談するしかないな。