薄明-1
俺の目の前は真っ暗だ。あとどれだけ歩けば、この暗闇から抜け出せるのだろう。
「あぁっ、あぁっ!!」
背中に滲む汗が厭らしい。俺が突く度に卑猥に揺れる豊満な胸を両手で掴み、激しく揉みしだく。そして両方の先端を強く摘む。
「あぁっ!!ダメッ…」
彼女は仰け反り、俺の攻めを必死に受けようとする。同時に膣が強烈に締め付ける。柔らかい尻を感じながら腰の動きを早め彼女を絶頂へと導こうとする。
「あぁっ、あぁっ!!直行君!!私もうダメっ!!ああっ!!あぁーん!!」
彼女のしなやかな肢体が仰け反り絶頂を迎えると同時、に今までで一番の締め付けが俺を襲う。俺は自身を引き抜き、熱い欲望を彼女の背中へと放出した。
「弥生さん…」
情事の後、俺はシャワーを浴び煙草に火を点ける。彼女もそのまま寝る事はなく、天井を見つめていた。
「ごめんね…」
彼女の口から出た謝罪。それは俺に言っているのか、自分に言っているのか、それとも…
「弥生さんが謝る必要はないです。全て俺が悪いんです。もし、弥生さんが都合の悪い状況になったら俺のせいにして下さい」
俺は煙草の煙を吐き出す。
そうだ。今日、駅でたまたま会った弥生さんを飲みに誘ったのは俺だ。その時点で邪な欲望が沸き上がっていた。
「大丈夫ですか?飲み過ぎましたね。」
「気持ち悪い…。ちょっと休ませて。」
「こんな所にいたら、風邪ひきますよ。」
今6月だがまだ肌寒い。俺の視界にホテルが目に入る。仕方ない…。
そして今に至った。横になる彼女に俺の理性が保たなかった。彼女はバイトの同僚だった。俺が新人の頃、仕事を教えてくれたり、飲み会に誘ってくれたり。たくさん世話をしてもらった。
優しくて面倒見がいい弥生さん。いかにも頼れるお姉さん、という感じの人。そんな彼女を好きになるのに時間はかからなかった。
弥生さんが就職し、俺もバイトを止めた。そこで想いを諦めた。はずだった…。
しかし、彼女には男がいた。いわゆる職場恋愛というやつで、他のバイト仲間も二人が付き合っている事を知っていた。