双子の姉妹。 6-7
「…おい?」
「このマフラーね、すごく長いんだよ。だからせんせにも、おすそ分け」
そう言って琴音は、俺にくっつくとマフラーを俺の首も一緒に巻き直した。
そして琴音は、黙って俺にそのまま横から抱きついた。
「琴音?」
「せん…せ、あったか…い?」
「あったかいけど…」
顔がめちゃくちゃ近い。
それはもう息がかかるくらい。
間近で見た琴音の顔は、すごく紅潮していた。
「せんせ、今日はありがと。デートすごく楽しかった」
「ああ…それならよかった。琴音が頑張ったんだしな」
「私…今回だけは、大学に合格したくて模試頑張ったんじゃない」
「……」
「せんせとこうしたかったから…模試頑張ったの」
いくら年下で高校生の女の子でも、琴音の甘い香りは確実に俺の頭をクラクラにさせていた。
「琴音……お前」
俺が言い切る前に、琴音は言った。
はっきりと。
甘い声で。
「私…せんせが大好き。せんせに恋してる」
「こ…琴音」
やばいやばいやばい。
心臓が激しく高鳴って。
もう…この距離なら…キスできる…
「私…お姉ちゃ」
琴音が次の言葉を言い切る前に…
観覧車は地上へと舞い戻った。