第三章-5
「ただいま、お姉ちゃん、いるの?」
学校が終わり、家に帰るとすでに結衣の靴があるのに気付き、翔太は玄関から声をかけた。
しかし何の反応も無く、翔太は結衣の部屋をノックして
「お姉ちゃん、いないの?」
すると部屋の中から
「……いるよ」
とだけ返事が返ってきた。
(あれ?なんか元気が無いなぁ)
そう思い翔太がドアを開け、中を覗くと布団をかぶって結衣が背を向けていた。
「どうしたの?お腹でも痛いの?」
ベッドに近寄り翔太がそう言うと「何よ、翔太、夏美相手にヘラヘラしちゃって…」
と怒ったように言った。
(あれぇ、姉ちゃん、ヤキモチやいてる…可愛いな)
そう思うと嬉しく思ったが結衣が怒っているので慌てて
「何言ってんだよ、大切なお姉ちゃんの友達だから愛想良くしただけだよ」
そう言って布団の上から結衣を撫でた。
するとクルリと振り返り
「本当に?」
と可愛い仕草で聞いてきた。
(ヤバい、姉ちゃん、可愛いすぎる…、我慢出来ない)
そう思い翔太は布団の中に潜り込み
「当たり前だろ、俺が好きなのはお姉ちゃんだけだよ」
と結衣を抱き締めキスをした。
すると結衣は嬉しそうに
「私もだよ…」
と抱き締め返し、舌を絡ませて濃厚なキスをした。
そして翔太は結衣の体を隅々まで、いつも以上に丁寧に愛撫して、心ゆくまでセックスをした。
「今日ねぇ、夏美ったら翔太の事ばっかり話すんだよ」
翔太の胸に抱かれながら結衣がそう言うと翔太は笑いながら言った。
「ははっ、そう言えば健司もお姉ちゃんの事ばっかり言ってたなぁ…」
翔太の言葉に結衣も一緒になって笑いながら
「あの姉弟、なんか私達姉弟に興味あるみたいだね」
すると翔太は結衣にキスしながら
「ははっ、俺達の関係知ったら驚くだろうな」
「うふふふっ、そうだね」
「でも健司の気持ち、わかるなぁ、お姉ちゃん、綺麗で可愛いし体も…」
「うふっ、ありがとう、私も夏美の気持ちわかるよ、翔太最近大人っぽくなってますますいい男になって」
そんな事を話しているうちに二人はまた興奮してきてしまい、それから父が帰ってくるまで何度も愛し合った。
それからあっという間に時は過ぎ、結衣は大学に進学が決まり、卒業まであと二ヶ月となった。
ある日曜日の夕方の事だった。
夜まで帰らないと言って出掛けた父が夕方、突然帰ってきた。
「おーい、ただいま」
翔太と結衣は父が夜まで帰ってこないという事ですっかり安心して結衣の部屋で昼間からセックスをして二人とも裸で抱き合っていた。
「うわっ、まずい、父さんが帰ってきた」
「えっ、まだ夕方だよ、なんで?」
「知らないよ、とりあえず服着なきゃ、服」
「うっ、うん」
二人は急いで服を着て、何気ないフリをして階段を降りて
「あれぇ、お父さん早かったね、何かあっ……」
先に階段を降りていた結衣はそこまで言って一瞬、言葉が止まってしまった。
「ん?お姉ちゃん、どうしたの?」
翔太が結衣の後ろからヒョイと覗き込んだ。
(あれ?誰だ?あの女の人…)
そこには少し照れた父と、四十歳位の上品そうな見知らぬ女性が並んで立っていた…。