風宮的地歴部-1
「この部の名前…変えない?」
「いきなりの爆弾発言っすね。風宮(かざみや)部長」
「つーか、そもそも地歴部って、何するの?」
「それを部長が言っちゃ終わりでしょう……うーん、まぁ、文献とか読んで研究したり、地域の史跡を巡ってレポート書いたりとかじゃないですか?」
「ヤだ」
「一刀両断された!?」
「だってぇ〜、そういうのつまんないじゃない。私はもっとパーッと楽しいことがしたいのよ」
「だったら、なぜ地歴部に…」
「一番ラクそうだったから」
「あなた、よくもそれで地歴部部長を名乗ってられますねぇ!」
「ま、そーゆーことだから。新しい部の名前と活動内容考えるわよ」
「あぁ…歴史ある地歴部の名が今まさに理不尽な理由で消えようとしている…」
「なんか言った?」
「いえ、なんでもありません」
「よろしい」
「はぁ…」
「うーん、そうね…自分を保健委員と偽り、全く知識がないのにケガ人を治療する『ヤ部』なんてどうかしら?」
「ダメです」
「えー」
「えー、じゃない! 大体なに、その部活!? そんなの保健委員さん達からフルボッコっすよ!!」
「大丈夫、私はやらないから」
「俺だけ!? 俺だけフルボッコ!?」
「じゃ、早速生徒会へ申請に…」
「待て待て! とりあえずやめようか。俺も困るし、生徒会の人達も困るから!」
「だったら、高校生としては考えられないような行動をする『恥部』は…」
「一体誰が得するの、その部!?」
「所構わずとにかく飛び込む『ダイ部』は!」
「部活の趣旨が意味不明!」
「じゃあ、部員の誰かが常に死んでいる『DIE部』!」
「部活以前の問題だよ! 頼むから警察呼んでぇ!」
「ストレートとかは一切使わない『ジャ部』!」
「勝てる気がしねぇ!」
「あれ、これって、どこかで見たような…『デジャ部』!」
「何する部活なの!?」
「最早活動なんてしない『休部』!」
「あなた部活する気あります!?」