マッドな彼女with俺5-1
マッドな彼女with俺5
「いてててて…」
「駿八…その包帯どーしたんだ?」
「まぁ…いろいろとあってな」
あの後。
つまり、星さんが出て行った後。
偶然にも近くを通りかかった先生が俺たちを発見。すぐさま俺は先生に事情を話し、不良共は御用となった。
後頭部を殴られて倒れていた香澄はすぐに病院へ運ばれたが、幸いにも気絶していただけで打ち所も悪くなく軽傷で済んだ。とは言っても大事を取ってしばらく入院するらしい。
俺はと言うと…なんやかんやで大丈夫だった。
所々に包帯を巻き、今もかなり節々が痛んでるけど、香澄がなりより無事で本当に良かった。
「いろいろって…それ交通事故レベルだぞ」
「一々うるせーな。いろいろっつたらいろいろなの!
これだから毎年補欠男は嫌いなんだよ。てめぇーは黙ってベンチを暖めとけ」
「ひ、酷い!酷すぎる!!その暴力的な言葉で一体私以外に何人の女をフってきたのよ!?」
「なぜ急に女口調に? んでもって、キモいから止めろや」
「…ふふふ。でも、そのバイオレンスさが、もう…堪らないわッ!!」
「俺の胸に飛び込んでくんじゃねぇー!!
ひぃ…なんか目がイっちゃってるよ、この人!?」
「ぐけけけ。
骨の髄までしゃぶり取っやるぞなもし!」
「もはやキャラが分かんねぇ!
誰か!助けてぇ!!」
「あ、あのぉ…」
「え?」
声がした方に振り返ると星さんと目が合った。
「ぁっ、えっ、えと…あの……そ、その、真田君が助けてって…言ってたから……」
最後の方は声が小さくなってあまり聞こえなかったが、どうやら俺を助けに来てくれたらしい。…稔から。
…いや、なんつーか、確かに助けてって言ったけど、それは半ば冗談みたいなことで、まさかここまで真に受けてしまうとは……
なんか俺が悪いことしたみたいだ。