マッドな彼女with俺5-5
「私は、同時に嬉しかったのよ。駿八のその危険を顧みない行動が。
理論的じゃなくて理屈っぽくもない、駿八のその人を助けたいと思う真っ直ぐな気持ちが。
その時私は思ったのよ」
「流石、私の彼氏だ、って」
香澄は微笑みながら、そう言ってくれた。
その笑顔はついさっきまで思い悩んでいたことをつまらなく感じさせてくれるくらい魅力的で、
本当に、
本当に、
俺は香澄の彼氏であることに幸せを感じる他なかった…。
「…って、なんで私がこんなこと言わなきゃいけないのよ!」
ぺしっ。
顔を赤らめながら、頭を叩いてくる香澄のその仕草が…やべぇ、むちゃくちゃ可愛い。
「いて。…んなこと言われてもなぁ……自分から言い出したくせに」
ドゴォ!!
「何か言ったかしら?」
「いえ、なんでもありません」
目の前でコンクリートの地面にクレーターができてしまったのは、きっと気のせいだろう。
「さ、もう帰るわよ」
香澄は俺の手を握って立ち上がった。
だから、俺も香澄の手を強く握り返して、誓ったんだ。
それはとってもクサい台詞と言われるかもしれない。でも、俺は正直にこう誓った。
香澄を絶対幸せにしてやる
終