想-white&black-L-13
「もうイッたのか。前より早くなったんじゃないか?」
からかうような物言いにかっと頬が熱くなる。
そうだとしてもそれは全て楓さんの手によるものだ。
自分から望んで快楽に溺れたわけじゃないと言い聞かせながら、涙に濡れた睫毛をゆるゆると上げた。
「それ……は、あなた、が……、あぁっ」
反論しようとした私を戒めるように入り口付近を弄んでいた指を奥に沈めてきた。
敏感になった身体が反射的に指を食わえ込んでしまう。
「それに言っただろう? 声を出すな……って」
「んっ」
楓さんは冷たい笑みを唇に浮かべながら指を中から引き抜いたかと思うと、膝裏に手をかけて両脚を大きく割り開き、その目に私の全てを晒け出させた。
「いやああっ」
あられもない格好に恥ずかしさから涙を流して頭を振る。
「何を嫌がる。散々俺に抱かれているくせに」
そう言ってふっと楓さんの顔が動いたかと思うと、開かれた脚の間に舌を伸ばすのが見えた。
「ひっ、あ……あぁんっ」
巧みで執拗な動きにあっという間に追い立てられていく。
身体を走り抜ける強烈な快感で全身が小刻みに震えた。
再び達してしまいそうな衝撃を懸命に耐えるため、楓さんの頭に手を添える。
指に絡みつく漆黒の髪は予想以上に柔らかかった。
「自分の身体がどうなっているか分かるか?」
秘所の縁を撫でた指先が蜜を絡ませながら中心に突き立てられる。
「……っ」
「は……っ、熱いな。お前の中」
そういう自分こそ熱い吐息を耳朶にかけて囁いたかと思うと、そのまま甘く噛まれ肩を竦める。
口元には私の蜜がついていて、それを舌で舐めあげる姿が艶やかで色っぽくて背筋がゾクリとした。
快感を堪えようと力を入れると逆に指の存在を強く感じてしまう。
「指が溶けてしまいそうだ……」
耳の奥を舐められ、体内の指に熱く沸騰しそうな内壁を弾かれる。
強くなる快感に勝手に楓さんの指を強く締め付けてしまう。
「やめ、あ……もう、指じゃ……」
疼いた身体はもう熱くなりすぎて、早く楽にしてほしいという思いに支配されていく。
「俺を煽ってるのか?」
嘲笑がこぼれたかと同時に締め付けていた場所から指が引き抜かれ、比べ物にならない圧迫感の灼熱が押し当てられる。