想-white&black-L-12
「んあっ、や、痛……っ」
「黙ってろ。声を出したら誰に聞かれるか分からないぞ」
囁くような脅迫の言葉に悲鳴を口の中で飲み込むしかない。
外は更に雨足が強まり、雷が鳴り響いている。
それは次第に会話をする声すら聞き取りづらいほどに雨が地面や屋根を叩きつけていた。
そんな中、教室には堪えきれずにこぼれた声が響く。
「あっ……、あ、んん……っ」
「相変わらず淫乱な身体だな。こんなことでもう感じてるんだからな」
「ひいっ、やだ、やめ……っ、んあぁっ」
壁に背を付けて立たせたままの格好で楓さんは唇で胸の先端を挟み舌先で舐めながら、空いた手は太股を撫で上げると下着の上から爪で引っ掻くように弄んでくる。
その刺激のせいで足に力が入らずガクガクと震えていた。
「もうこの下着は履いてる意味がないくらいになってるな。このままここに捨ててしまおうか」
「やあっ、そんなの……っ、ああっ」
「安心しろ。お前の乱れた姿を他の奴になんか見せてたまるか」
楓さんがこの時何て言ったのか、持て余した熱に翻弄されていた私にははっきり聞き取ることはできなかった。
だが、安心しろ、という声が聞こえた気がしてなぜだか涙が出そうになった。
下着を一気に脚から剥ぎ取られると、長い楓さんは指を私の中に突き立てて親指で花芯を擦ってくる。
「あっああっ、やっ、ふあ、ああ……っ」
「止めてほしいのか? それならそう言え。……言えるもんなら、な」
楓さんはそう言って歪んだ笑みを見せると、私の片脚を持ち上げ更に奥深くを指で追い込んでいく。
私の身体を知り尽くしている楓さんには何の造作もないことだろう。
「んああっ、止めっ……ないでっ」
「なら無駄な口はたたくな。俺の手によって、俺の前でだけ乱れて見せろ」
どんなに心で拒もうともがいても、楓さんに触れられるとその快楽に溺れてしまう。
熱く疼く身体を止めることができない。
「いやっ、ふあぁっ、も、きちゃ……う……、やああぁっ」
楓さんの指だけで達してしまった私は力の抜けてしまった足で身体を支えられず、壁づたいに崩れ落ちた。
「うぁ……っ、ん……っ」
今さっき絶頂を迎えたのにも関わらず、楓さんは一向に指を抜く気配を見せない。
まだ私の中に指を埋め込んだままくちゅくちゅと小さく動かし続けている。
雨とは違う濡れた音が教室内に響いていた。