恋してくれますか-3
「ええと、例えばこうやって揺れたときはですね…」
私が揺れの激しさを表現しようと勢い良く腰を上げると、私の後頭部は見事にテーブルの裏側に激突した。
妙に乾いた音が恥ずかしい。
なんだか泣きたくなった。
「い、いたい。」
「あーあぁ、まったく。畑本は本当に期待を裏切らないな。」
私が頭を押さえてうずくまると、先生の呆れた声が降ってきた。
…先生、普通だ。
あの声とか目線は、思い過ごしだったのかな。
あの言葉は、聞き違いだったのかな。
そのとき、ふと、私の手に半分重なるように載せられた温度を感じて、顔を上げる。
「仕方のない奴だな…。」
先生が、少し心配そうに私の髪に触れている。
距離の近さに、一気に顔が熱くなる。
「はわぁっ」
驚いて後ずさると、私の頭は再び大きな音を立ててテーブルに当たった。
目の前に星が弾ける。
「あ、あう。」
…かっこわるい!
「何をやってるんだお前は。」
「私もそう思います。」
「もう、そこ出ろ。危ないから。」
私は頷いて、テーブルの下からもぞもぞと出ていった。
頭が出るとき、先生が、テーブルの縁に当たらないようにすっと手を出してくれた。
少し笑って、「またぶつけるなよ」と言った。
先生、顔近い。
私の顔が、熱をもつ。
私は先生をどう思ってる?
先生は私を、どう思ってるの?
私は、ただの生徒?
先生は、ただの先生なのかな…?