はなちゃん-1
風呂に入っていた時に急に思いだした
小学校2年生の時に仲のよかったはなちゃん
「○○は友達の中で誰が一番好き?」
「んー、はなちゃんかな!」
そういって私は勢いよく逆上がりをした
二人でよく鉄棒をして遊んでいた
はなちゃんは逆上がりがべらぼうにうまくて私はよく彼女に鉄棒を教わっていた
ある日はなちゃんがどうやら私を好きらしいという噂が流れだした
その頃は二人ともクラスが別々になり、あまり休み時間に遊ぶことも少なくなっていた
「はなちゃんが○○のこと好きなんだって!」
「どうすんの?」
「OKしちゃいなよ!」
すれ違うたびにかけられる、冗談ともからかいともいえる友人たちの言葉
「○○がはなちゃんに好きって言った聞いたよ」
幼い私はこれ以上耐えられなかった
「知らない!そんなこと言ってないよ!はなちゃんなんか好きじゃない!」
その日からはなちゃんのことで私はからかわれることはピタっとなくなった
ほっとしてまた悠々と楽しい学校生活を過ごす
はなちゃんを見かけることもなくなった
ある日、友達に聞いてみた
「ねぇ、最近はなちゃん見ないけど・・・。」
「え?知らないの?はなちゃん転校したよ。」
ショックだった
私のことがはなちゃんの転校に関係しているかはわかならいが、私の心に深い傷を残すには十分な出来事であった
あの頃のことを思い出すたびに、楽しかった逆上がりの記憶と苦い幼少の記憶がごちゃまぜになってついてくる
今でも、私はあの時どうな対応をとればよかったかしばし悩むことがある
だって私もはなちゃんと同じ
女の子だったのだから