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生徒会へようこそ
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生徒会へようこそ【MISSION'0'停学を回避せよ!】-1

何で僕は…。

「ありがとうねえ。これでお妙ちゃんのお家に行けますよ」

「あ、いえいえ。いいんですよ、おばあちゃん」

何で僕は、おばあちゃんを背負って通学路を逆戻りしてるんだろう…。

「毎週月曜日はねえ、お妙ちゃんちでお茶をやるのよ」

「あ…毎週…聞いてます」

今週も遅刻だ。

「本当にありがとうねえ。えーと」

「あの、香住です。…毎週言ってますけど」

入学してからずっと毎週月曜日は遅刻している。

「そおそお、かすみちゃん」

「あの、香住は名字で名前は優です。…これも…毎週」

理由は分かってるんだ。

「あらあら、着いたわ。ありがとおねえ、また来週も宜しくねえ」

「あ、あの……はい」

僕が気弱なせいなんだ。





高校への道のりは、どうしてもこの道路を通らなければいけなかった。
横断歩道の間隔が広く、信号も無い。その割に車通りが激しい。
先月の入学式の朝、僕はそこでおばあちゃんと出会った。
腰を曲げて、重たそうな荷物を持ってた。
びゅんびゅん車が通っていくのを目で追いながら、一歩を踏み出す度に、また一歩後退した。
僕はそのおばあちゃんを放っておくことが出来なくて、声をかけたのが始まりだ…。

「はあ…」

校門に着くと、出席を始めるチャイムが鳴った。
あーあ、完全に間に合わない…。
今頃、教室では出席確認が行われてるんだ。
半泣きでとぼとぼと玄関に向かう。

「おい香住、ちょっと待て」

その途中で僕は呼び止められた。
待ちますがな、どうせ遅刻なんだし。
それにしてもこの声は

「あ、やっぱり渡邊先生じゃないですかぁ…エヘヘ…おはようございまーす」

自嘲気味の笑いしか出来ない。

「ひどい顔だな。また今週も遅刻か」

渡邊先生が残念そうに眉を潜める。
ああ、そんな顔しないでくださいよ。
ちなみに渡邊 夏樹先生は僕のクラスの担任だ。28歳、独身。
まだ1ヶ月しか付き合っていないけど、僕は先生が好きだ。
いや、そういう意味じゃなくね!
出席は各クラスの副担任が行うことになっているため、こうして悠長に闊歩出来ている。
そうだ。
先生なら、僕の遅刻の理由、理解してくれるかもしれない。


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